【全球热闻】【GPT机翻】战国小町苦劳谭 (戦国小町苦労譚)- 174 [千五百七十八年 四月下旬]
书名 战国小町苦劳谭
-------------------------------------------------------------------
作者: 夹竹桃
(资料图)
原作:http://ncode.syosetu.com/n8406bm/
翻译工具:ChatGPT
*机器输出的翻译结果UP未做任何修正,仅供试阅。标题章节号为原翻译版的顺延。*
-------------------------------------------------------------------
千五百七十八年 四月下旬(*原文网页序列号 - 198)
北条氏の居城たる小田原城は、本丸内に設けられた厳重に施錠されている一室にて一人の男性が何かを捧げ持っていた。
北条氏的居城小田原城内,在本丸的一个严密施锁的房间里,有一个男性手捧着某物。
「これこそが出発点、原初の一発。織田家にこれを齎した人物は、如何にしてこれを思いついたのか……」
“这正是出发点,最初的一击。把这个带给织田家的人是如何想到它的......”
燈明の光に浮かび上がるそれ(・・)は鈍色(にびいろ)の弾丸。
灯明的光线中浮现的那个(・・)是一枚暗灰色的子弹。
戦国時代に於いて常識であった球形の弾丸とは異なり、流線形と呼ぶにはややずんぐりな前身と円筒形の後身を持つ。
在战国时代,与常规的球形子弹不同,这种子弹具有略微圆胖的前身和圆柱形的后身,不太适合称为流线形。
何よりも特徴的であったのは銃弾の側面に刻まれた等間隔の溝だった。加工と呼ぶには稚拙だが、確実に緩い螺旋を描く溝が切られている。
最引人注目的特点是子弹侧面刻有等间距的凹槽。这种加工虽然称不上精湛,但确实切割了一条稳定而松散的螺旋线。
この銃弾こそが北条氏に一筋の希望を見出させたもの、従来の火縄銃とは隔絶した性能を誇る織田軍の新式銃、その秘密の一端を担っていた。
这颗子弹才是让北条氏看到一线希望的东西,是织田军的新式枪支,具备远超传统火绳枪的性能,承载着其中的秘密。
織田軍の新式銃に関しては機密保持が徹底されており、数度の戦場で相対した北条軍ですら只の一丁さえ鹵獲(ろかく)できていない程の有様なのだ。
织田军的新式枪械保密措施非常严格,在数次战斗中,甚至连北条军都没有能够缴获一支,可见其保密措施之严密。
しかし、それでも秘密というものは漏れるものであり、奇跡的に原型を保ったまま跳弾した末に馬糞の山に突っ込んだものが見つかった。
然而,秘密是会泄露的,最终奇迹般地原封不动地跳跃后,最终被发现掉进了马粪堆中。
今までに発見されていた新式銃の銃弾は、その多くが負傷者の体内から取り出されており、そのほぼ全てが欠けたり変形したりしていたのだ。
迄今发现的新式枪弹中,大多数都从受伤者体内取出,几乎全部都存在欠缺或变形现象。
未だに新式銃本体こそ鹵獲されていないが、たった一発の銃弾から織田軍の秘密は漏れ始める。
尽管新式枪支仍未被缴获,但从一颗子弹开始,织田军的秘密开始泄漏。
薄暗い明かりに弾丸を翳(かざ)して溝を眇(すが)め見る男の名を『高座(こうざ)の弥勒(みろく)』と言う。
在昏暗的灯光下,一个拿着子弹遮挡住眼睛并观察沟壑的男人,被称作“高座的弥勒”。
高座は地名であり、弥勒の名は男を拾い育ててくれた寺のご本尊、弥勒(みろく)如来(にょらい)から頂戴した。
高座是地名,而弥勒是一个寺庙收养男孩的主像,我们从弥勒如来那里得到了它。
弥勒はいわゆる戦災孤児であり、厳しい冬の到来を目前に控えた晩秋の朝、弥勒寺の山門前に籠に入れられて捨てられていた赤子だった。
弥勒是所谓的战灾孤儿,一个严寒的冬天即将来临之际,他被作为婴儿放在篮子里,被遗弃在弥勒寺的山门前。
早朝のお勤めの折に僧侶が発見し、まだ辛うじて息をしていた赤子を哀れに思った住職が、これも神仏のお導きと育てることにした。
早晨工作时,一位僧侣发现了一个仍然勉强能够呼吸的婴儿,寺庙主持深感同情,决定将其养育,认为这也是神佛给予的指引。
弥勒は寺という俗世から離れた集団生活の場に身を置き、宗教という学究の徒として育つ。
弥勒身处于寺庙中,远离世俗,生活在一个集体中。他以修行研究宗教为事业,专注于学问中。
彼は幼少よりその才覚を存分に発揮していた。『門前の小僧習わぬ経を読む』のたとえにあるように、弥勒は教えられてもいないお経を諳(そら)んじて見せた。
他从幼年时期就充分发挥自己的才华。正如俗语所说“门前的小僧学不会经文,却能倒背如流”,弥勒展示了他能够从未被教导过的经文。
極めて利発であり、また手先も器用であったことから領主の目に止まり、家人として召し抱えられた経緯があった。
由于他非常聪明,手巧,引起领主的注意,因此被雇用为家仆。
領主に召し抱えられてからも、めきめきと頭角を現した弥勒は、知恵者として名を馳せるようになっていた。
自从被领主雇佣以来,弥勒越来越受人注意,并且成为一位著名的智者。
そして奇跡的に原型を保ったまま入手できた弾丸を元に、最も優れた火縄銃を作りだせた者を臣下として迎え入れると北条氏より御触れが出される。
然后,根据奇迹般保留其原始形态的获取的弹药,从中制造出最优秀的火绳枪,会受到来自北条氏的公告,欢迎制造者成为臣下。
これに応じた末に並み居る知恵者、鉄砲鍛冶を差し置いて頂点に立ったのが弥勒であった。
在这个基础上,智者纷纷涌现,尽管铁匠也不少,但站在顶点的是弥勒。
弥勒を始めとして多くの参加者は、最初に参考として見せられた銃弾を元に椎の実型をした銃弾を作る。
很多参加者(包括弥勒)根据最初展示的实弹制作成类似椎子的弹头作为参考。
従来の銃弾よりも大きく重くなったため、同じ火薬量ではむしろ飛距離が短くなってしまうという結果になった。
传统的子弹比起来更大更重,因此在相同的火药量下,结果实际上会缩短射程。
そこで火薬を増量して撃ちだすようにすると、発射時の衝撃で銃身が割れてしまったり、想定よりも飛距離が伸びなかったりなどの問題に悩まされる。
因此,增加火药量并射击可能会导致枪管在发射时破裂或者飞行距离不如预期,从而带来种种问题。
他の参加者がこれを改善出来ない中、弥勒だけが銃弾に更なる加工を施すことで諸問題を解決してみせた。
弥勒是唯一通过对子弹进行更多加工来解决各种问题的人,而其他参与者无法做出改进。
弥勒は銃弾に直接螺旋型の溝を彫り、撃発時の衝撃が溝に沿って銃弾を押すことにより銃弾自体が回転し、そのジャイロ効果によって弾道が安定することを発見したのだ。
弥勒直接在子弹上刻出螺旋型凹槽,使得子弹在射击时,冲击按照凹槽推动子弹自转,通过陀螺效应使弹道变得更加稳定。
弥勒は銃弾に刻んだ溝が、矢羽根のような役目を果たして弾道が安定するのだと考えた。
弥勒认为,子弹上刻的槽起到了类似箭羽的作用,使弹道更加稳定。
流石の弥勒も全ての原理が理解できた訳ではないが、とにかく何種類もの銃弾に何十通りもの螺旋溝を刻み込んで試射を繰り返し、遂には従来の倍以上という飛距離を出すことに成功したのだった。
即便是流石的弥勒也并非理解所有原理,不过,他刻了许多螺旋溝于各种不同种类的子弹上,试射了多次,最终成功地将射程提升到了原先的两倍以上。
「しかし、銃弾を一発造るための費用が馬鹿にならぬ。織田軍は如何にしてこの問題を解決しているのだ……」
"然而,制造一发子弹的成本不容小觑。織田军是如何解决这个问题的……"
銃弾一発一発に対して正確に螺旋の溝を彫ることは至難を極めた。まずは手作業で理想の銃弾を作り上げ、それを型取りして金型を作る。
对于每一发枪弹精确地雕刻螺旋凹槽是非常困难的。首先要手工制作出理想的枪弹,然后进行模具制作。
そこに溶かした金属を流し込んで冷やせば大まかな銃弾は再現されるのだが、飛距離を伸ばすためには更に銃弾一発一発に対してヤスリを使って溝を均す必要があった。
倒入溶解的金属并冷却后,大致就可以重现子弹,但为了增加射程,还需要对每个子弹使用砂纸将凹槽平整。
ここに発想の落とし穴があることに弥勒を始めとした北条側は気付けなかった。
在这里,北条一方包括弥勒在内没有意识到思维陷阱的存在。
銃弾に秘密があるのではなく、銃身側に螺旋の溝が彫ってあり、撃ちだす際に銃弾と擦れて旋条痕が刻まれているということに。
并不是弹药拥有什么秘密,而是枪管内侧刻有螺旋溝,在开火时与弹药摩擦,形成旋纹痕迹的原因。
四月に入ると気温も和らぎ、関東地方を閉ざしていた積雪が溶け始めた。虎視(こし)眈々(たんたん)と機会を待ち続けていた信忠は、北条征伐を再開する。
四月进入后气温渐渐变温和,关闭关东地区的积雪开始融化。一直在虎视眈眈等待机会的信忠重新开始北条征伐。
従軍している諸将からは、もう少し待った方が良いとの意見も出たのだが信忠が強硬に早期進軍を主張した。
一些从军的将领认为应该再等待一段时间,但信忠坚持强硬地主张早日进军。
常から和を重視している信忠が信念を曲げてまで急いだのには理由がある。それは織田軍の優位性を担保し続けている新式銃に匹敵する兵器が、北条の手によって開発されたとの情報が齎されたからである。
信忠一向重视和平,但他为什么不得不违背自己的信念而匆忙行事,原因是北条家开发出了一种可以匹敌織田军先进火器的新武器,这意味着織田军的优势被威胁了。
これは恐らく北条側が意図的に情報を流しているのだろうという報告も添えられていたのだが、実際に何度も射撃を繰り返しているような音が観測されている。
据报告附上的消息,这可能是北条一方有意散布的情报,但实际上观测到了多次开枪的声音。
本格的な進軍には時期尚早かもしれないが、積極的に斥候を放って情報収集に務めるべきだと信忠は判断した。
可能现在进行大规模进军还为时过早,但信忠决定要积极派出斥候进行情报收集。
(恐れていたことが遂に始まったか……。今では当たり前に使用されている鉄砲とて、初めは種子島に持ち込まれた二丁のみだったのだ。いつまでも優位を保てる訳ではないか)
(恐惧的事情终于开始了吗……。虽然现在火枪已经被认为是很普通的武器,但最初只有两把火枪被带到了种子岛。我们不能永远保持优势,对吧?)
信忠は、北条側にも静子に匹敵するような異才の持ち主がいるのだろうと当たりを付ける。在野の才能を広く集める北条氏の強(したた)かさを思い知らされた。
信忠猜测北条一方也有像静子一样的天才。他意识到北条一族广纳人才的实力。
それでも信忠は自軍の優位性が揺らぐとは思っていなかった。北条側が開発した新兵器とやらが新式銃に匹敵する射程を持ったとして、それを全軍に配備するだけの物量を確保できているとは思えない。
然而,信忠并未认为自己军队的优势会动摇。他不认为北条一方能够获得足够多的新武器,如同新式枪支一样具备远程射击能力的新型武器,并将其配备给整个军队。
戦国最強と呼ばれた武田を打ち破った根底には、圧倒的物量を担保する生産体制が構築されているという兵站の差があったのだ。
打败了被誉为战国最强的武田家,根本原因在于构建了能够保证压倒性物量的生产体制,这就是兵站的差别。
そうして動き始めた信忠だったが、程なくして放っていた間者から有益な情報を得ることとなる。
这时,信忠开始行动,不久后便从间谍那里获得了有益的信息。
それは従来の火縄銃に倍する射程の銃が開発されているとの情報だ。物資の流れなどから判断して、既に量産を命じている節があり、遅きに失した感があった。
据信息,一种射程是传统火绳枪的两倍的枪已经开发出来了。从物资流动等方面来判断,已经下令量产,感觉有些太迟了。
「新しい火縄銃を開発したとされる人物は『高座の弥勒』と呼ばれており、恐らくは小田原城内に匿(かくま)われていると思われます」
据说开发新式火绳枪的人被称为“高座的弥勒”,很可能藏匿在小田原城内。
(何処にでも天才と呼ばれる人物はいるものだな)
(任何地方都有被称为天才的人)
北条側の新しい火縄銃を開発したとされる人物に関する情報を得た信忠は戦慄を覚えていた。来たる小田原城攻めの局面に於いて、恐らく北条側はこの新武器を投入してくるであろうことが想定される。
据获悉北条一方新开发出火绳枪的人物,信忠感到了战栗。预计在小田原攻城战中,北条一方将很可能使用这种新武器。
この時代の火縄銃が持つ最大射程は約三百メートルだが、狙った的に当てられる有効射程という意味では五十~百メートル程となってしまう。
这个时代的火绳枪最大射程约为三百米,但有效射程通常只有五十到一百米左右,也就是说,只有在这个范围内才能打中瞄准的目标。
たとえ最大射程が倍になったとしても、即ち有効射程が倍になるとは限らない。弓道に於ける遠的(えんてき)では射手と的との距離が六十メートルと定められている。
即使最大射程加倍,有效射程也不一定加倍。在弓道中,远射被定为发射者和目标之间的距离为60米。
的の大きさが直径1メートルであり、これに命中させることは中々に難しい。
直径为1米的大小很大,命中它相当困难。
翻って有効射程が二百メートルとして、その際の射手から見た人間はどの程度の大きさに見えるかを考えれば、およそ現実的な話では無いと理解できるだろう。
如果以有效射程为200米为前提,考虑射击者所看到的目标人的大小,我们能够理解这基本上是不切实际的。
「引き続き情報収集に努めよ。また、可能であればその新武器の現物を確保するのだ」
继续努力收集情报。如果可能的话,请确保获取新武器的实物。
そのように間者に命じると、信忠は現時点で判明している事実を信長や静子と共有すべく緊急通信を行った。
那么,信忠下令给间谍后,他紧急通信,与信长和静子分享目前已知的事实。
緊急通信とは定時連絡の他に、火急の通信が必要となる場合に用いられる通信手段である。これには所謂モールス信号が用いられ、通話の要望に対して相手が応じられるか確認を取ることになる。
紧急通信是除了定时联系之外,在需要紧急通信的情况下使用的通信手段。这需要使用所谓的摩尔斯信号,并需确认对方是否能响应通话请求。
発話者と受話者の双方が通信可能であると確認が取れれば、改めて時刻を定めて電話回線が繋がれるという流れだ。
如果确认发话人和听话人都可以通信,就会再次确定时间连接电话线。
この際に用いられる時計は、尾張を基準として時刻合わせがされており、一日三回の定時連絡の際に調整されるという運用を取っている。
使用的时钟是以尾张为基准进行时间校准,并采取一天三次的定期联系来进行调整。
こうして信長及び静子と連絡を取った結果として、恐らく回収しそこねた不発弾か、もしくは何らかの要因によって原型を保った銃弾が鹵獲されたものと推測された。
因此,与信长和静子取得联系后,推测可能是由于未回收的未爆弹,或者由于某些原因保留原型的子弹被缴获。
現時点で紛失または盗難された新式銃は確認されておらず(シリアルナンバーで管理しているため、把握が可能)、射程及び連射性能のいずれも新式銃のそれには遠く及ばないであろうと結論づけられた。
目前还没有确认有任何新型枪支遗失或被盗(由于它们都有序列号,因此可以跟踪),而且新型枪支的射程和连发性能都比不上现有的。
それを聞いた信忠は心底安堵していた。自軍の圧倒的アドバンテージを奪われたかもしれないという恐怖は、信忠の心を予想以上に蝕んでいたようだった。
听到这话,信忠内心深处很是安心。他心里一直担心自己的军队可能会失去压倒性的优势,这种恐惧比他想象中的要深刻得多。
可能であれば開発者を織田陣営に取り込みたいところだが、北条側とて必死に囲い込んでいるであろうことから難しいと思われる。
如果可能的话,我们想将开发者纳入到织田阵营中,但鉴于北条方面正在拼命地包围他们,这似乎是困难的。
小田原城攻めの折には、この開発者及び研究成果を奪取するか、もしくは葬り去ることが目標として定められることとなった。
在攻占小田原城的时候,这个开发者和研究成果成为了目标,要么被掠夺,要么被埋没。
こうして信長、信忠、静子の三者による首脳会談の結果、北条攻めの基本方針が若干見直されることとなる。
在信长、信忠和静子三人的首脑会谈结果下,北条攻击的基本方针将稍作修正。
大筋としては今までと変わりないが、小田原城を守る支城を落とす速度よりも、確実な包囲網を構築することを優先する。
大致上与以前没有改变,但是优先于攻占守卫小田原城的支城,要构筑确实的包围网。
何度も述べているように籠城とは、増援ありきの戦略である。外部より増援が期待できないのであれば、籠城したとて死期を先延ばしにしているだけに過ぎない。
正如多次所述,困守是一种以增援为前提的战略。如果无法期待来自外部的增援,那么困守只是拖延死亡的方式而已。
既に北条側が確保している物資を除き、関東一円の物流に関しては国レベルの調達が行われれば、たちどころに静子の耳に入ることになっている。
除北条方已经确保的物资外,若关东一带的物流采购实行国家级管理,这信息马上就会传到静子耳中。
北条側も心得たもので、これまでに織田軍が落とした支城に於いて、残置されている物資はごく僅かであり、多くは持ち去られていることが解っていた。
北条方也知道,迄今为止織田军攻陷的支城中,留下的物资很少,大部分都被带走了。
こうしたことから小田原城には相当な量の物資が備蓄されていることが推測され、兵糧攻めは効果が薄いと判断せざるを得ない。
由此可以推测出小田原城储备了相当数量的物资,因此饥饿战的效果不可避免地会受到削弱。
また日々発生している小競り合いに於いて、北条側が新兵器を投入している様子が無いことから、未だ実戦配備できるだけの数を揃えられていないと判断された。
据日常发生的小冲突情况来看,由于没有发现北条一方使用新武器,可以判断他们还没能拥有足够数量的实战装备。
これらのことから信忠は、新火縄銃は全て小田原城にあり、攻城時に満を持して投入してくると予想した。
从这些事情中,信忠预计新型火绳枪都储存在小田原城内,将在攻城时被使用。
「恐らく実戦に投入できる新火縄銃の数は百丁を上回ることはあるまい。火薬の改良まで開発が進んでいるような情報は入ってきていないことから、従来通りの一発撃つごとに掃除が必要な銃であれば恐れる必要はない。それでも警戒をするに越したことはないだろう」
“恐怕能够用于实战的新火绳枪数量不会超过一百支。由于没有收到火药改进方面的进展消息,所以如果它仍然是需要清洗的枪械,我们就没有必要害怕。不过仍然警惕还是比较好的。”
(最後の最後で足を掬われては本末転倒だ。父上や静子に笑われぬよう、北条を倒して見せねばならぬ)
(在最后关头被绊倒是得不偿失的。为了不让父亲和静子嘲笑,必须打败北条。)
幾分か余裕を取り戻した信忠は、警戒心を抱きつつも着実に北条の力を奪うべく準備を進めた。
取回一些余裕的信忠开始备战,带着警惕之心稳健地削弱北条家的力量。
北条方の新火縄銃については信忠だけでなく、里見氏及び佐竹氏と向かい合っている才蔵の許にも情報が齎される。
不仅是信忠,里见氏和佐竹氏都向才藏传达了关于北条方的新火绳枪的信息。
敵方の新兵器と言う情報に眉をひそめた才蔵だが、届けられた詳報を読んで胸をなでおろした。
敌方的新兵器这一信息让才蔵皱起了眉头,但读完详细报告后他松了口气。
従来の火縄銃よりも長い射程距離を誇るが、その他の性能に関しては飛躍的な向上は見られず、警戒は必要だが方針を見直す程ではないと結論づけられていた。
比传统的火绳枪拥有更长的射程距离,但在其他性能方面并没有显著的改善,因此需要保持警惕,但并无必要重新考虑方针。
「北条が里見や佐竹に新火縄銃を渡すはずがない。虎の子の新兵器を裏切る可能性がある者に託す馬鹿はいまい」
「北条不可能把新火药枪交给里见或佐竹。把值得一试的新武器交给有可能背叛的人真是太愚蠢了。」
北条の行動を間近で見ている才蔵は、彼らが新兵器を里見や佐竹に供与しないと考えていた。万が一にも提供するのであれば、運用する部隊ごと増援として送ってくるはずだ。
观察着北条的行动,才藏认为他们不会向里见和佐竹提供新武器。如果不幸提供了,应该会作为增援一起派遣使用该装备的部队。
それが無い以上、北条としては増援を送るつもりが無いのは確実だろう。つまり里見と佐竹は完全に孤立してしまったと言える。
那么,作为北条家的代表,可以确定的是他们不会提供增援,因为没有这种可能。换言之,可以说里见和佐竹完全孤立了。
「里見家の内情は、降伏して織田軍に下るというのが主流になっています。しかし、未だ北条が降伏していない状況で先に下ったとあれば武家の名折れと考えており、耐えている状況だと推測されます」
「里见家的内部情况是,投降織田军成为主流。然而,如果有人先投降而北条仍未投降,便会被认为是武士的丢脸行为,所以我们推测里见家目前正在坚持不投降的状态。」
「里見については警戒こそすれど、積極的に対処する必要はあるまい。問題は佐竹だ」
关于里见,虽然需要保持警惕,但并不需要积极应对。问题在于佐竹。
才蔵の見立てでは、里見が積極的な攻勢に出ることはないと踏んでいた。既に手痛い一撃を貰っている里見と異なり、未だ戦力的に余裕のある佐竹は何をしてくるか判らない。
才藏的观察认为,里见不太可能发起积极攻势。与已经遭受过重创的里见不同,现在在战力方面还有余裕的佐竹会有什么行动尚不清楚。
消極的な里見とは対称的に、佐竹氏内では積極的な攻勢に出るべきだとの論調が有力であった。およそ佐竹氏内では派閥が二つに分かれており、北条の様子を窺いつつも和睦を模索する穏健派と、籠城に焦れて雌雄を決するべきと主張する過激派がいる。
与消极的里见形成对比,佐竹家内主张积极进攻。佐竹家内分为两个派系,一个是寻求和睦,同时观察北条家的温和派,另一个则认为应该急于攻城,以决定胜负的激进派。
前者が主家である佐竹一族であり、後者は真壁一族を筆頭とする臣下達であった。
前者为主家佐竹家族,后者为真壁家族为首的臣下们。
「雪解けを迎え、地面の泥濘が解消されれば、真壁が動く可能性は高い」
「迎接雪融化,地面泥泞消散后,真壁移动的可能性很高」
「その場合、如何致しましょう?」
“那么该怎么办?”
「里見の時と変わらぬ。真正面から乗り込んでくるならば迎え撃つ、策を弄するようならばそれごと粉砕するのみ」
「与里见的时候没有什么改变。如果直接面对着来攻击,我们就会迎头而上;如果耍什么花招,那只能粉碎它。」
「大砲をもっと使用できれば本拠を一気に叩けるのですが、大砲ありきで攻めれば奴らは我らを腰抜けとあざ笑うのでしょうね」
「如果可以更多地使用大炮,我们就可以一口气攻下敌人的根据地,但如果只是依靠大炮攻击,敌人可能会嘲笑我们是懦夫。」
織田軍に於いては既に個人の武勇がいくさを左右する時代は終わりを迎えている。
在织田军队里,个人的勇武已经不再左右战争,这个时代已经结束了。
日ノ本全体を見渡してもいくさの行く末を決定するのは、どれだけ多くの銃をかき集められるかが鍵となると考えている国主が主流となっていた。
在审视整个日本时,认为决定战争胜利的关键是能够收集到尽可能多的枪支的领主成为主流。
それでも東国、それも関東に於いては未だ個人の武勇がもて囃(はや)される傾向にあった。
然而在东国,特别是关东地区,个人的武勇仍然受到吹捧的趋势仍然存在。
故に臣下である真壁が主家である佐竹に対して意見を述べることが許されている。
因此,作为臣下的真壁可以向作为主家的佐竹陈述意见。
「真壁の現当主は噂に名高い『鬼真壁』こと氏幹(うじもと)だ。武勇の誉れ高い真壁としては、一戦も交えることなく降伏するという選択肢は、死よりも尚辛いのであろう。ゆえにこそ主家が降伏を唱えていても、抵抗しているのだ」
「真壁家的现任家主是有着名声的「鬼真壁」之称的氏幹。作为备受称赞的勇武之士,选择在未曾交战的情况下投降,比起死亡可能更加痛苦。因此,即使主家呼吁投降,他们也在抵抗。」
後世の歴史家は真壁の姿勢を愚かだと断じるであろう。しかし、才蔵はあくまでも己の生き様を曲げない真壁を好ましく思っていた。
后世的历史学家可能会认为真壁的态度是愚蠢的。但是,才藏却非常欣赏真壁不屈不挠的生活方式。
才蔵自身も一人の武人として、鬼真壁と刃を交えてみたいと思わずにはいられない。
才藏自己也不禁想要像一名武人一样与鬼真壁交手。
そんな思いが通じたのか、四月も下旬に差し掛かろうと言う頃、才蔵の許へ真壁からの使者が遣わされた。使者に託された書には極めて簡潔な内容が記されている。
就在这个时候,似乎那份心意被理解了一般,四月也快要接近尾声的时候,真壁派来了使者到才藏那里。書信内容非常简短和明了。
「大将同士の一騎討にて雌雄を決さん。己が破れれば真壁は織田に下る、逆に勝利すれば織田軍は撤退すべし、か。何とも都合の良い話だ」
“两位大将将在一场马上决斗中决定胜负。如果我方失败,真壁将归降織田信长,反之如果我们获胜,織田军应该撤退。这是一个非常好的安排。”
戦況は既に五分とは言えず、才蔵方が優勢だというのは共通認識だろう。それを踏まえた上で逆転の一手を打ってきたのだ。
战况已经不足五成,才藏一方占据优势是共同认知。在此基础上,采取了反击的策略。
「面白い。受けて立とう!」
"有趣。接受挑战!"
真壁の使者はよもや受け入れられるとは思っていなかっただけに、才蔵の返答に虚を突かれる。しかし、不敵な笑みを浮かべる才蔵を見て姿勢を正すと「承った」と答えて帰っていった。
真壁的使者原本并没有想到会被接受,因此在才藏的回答下感到意外。然而,看到才藏露出的不屈不挠的笑容后,使者立即恢复了体态并回答说“我了解了”,然后离开了。
鬼真壁と才蔵との一騎討は瞬く間に両陣営に伝わった。佐竹氏内部では真壁の勝手な行いに不満が続出したが、それでも自分たちが払う犠牲に対して、得られる利益を考えた結果黙認する。
鬼真壁和才藏的一决胜负瞬间传遍了双方阵营。虽然佐竹氏内部对真壁的自作主张感到不满,但考虑到为自己付出的代价所能获得的利益,他们最终选择了默认。
一方の里見は興味津々といった様子で両者の一騎討を見守ることになった。何せ真壁の武名は里見にも轟いているのだ。
一方的里见表现出浓厚的兴趣,欣赏着双方搏斗。因为真壁的名声响彻着整个里见领,所以他们很关注。
仮に真壁が破れれば戦況は絶望的となる。しかし、既に手詰まりの状況に於いて逆転の目があるだけでも儲けものだ。
假设真壁被破坏,战况将变得绝望。但是,在已经陷入绝境的情况下,唯一有望扭转局面的机会就是最大的收益。
更に言えばいつの世であろうとも、男と言う生き物は強い雄同士の戦いには心魅かれずにはいられない。
更进一步说,无论何时何地,男人总是对强壮的雄性斗争深感着迷。
鬼真壁と音に聞こえた『笹の才蔵』との一騎討は、関東武者の興味を掻き立てた。その状況下で、一人ほくそ笑む者がいる。
鬼真壁与听到声音的“笹之才藏”的一骑战激起了关东武士的兴趣。在这种情况下,有一个人在咯咯笑。
「今こそ好機! 奴らの意識が一騎討に向いている間に攻勢に出るぞ」
“现在正是好机会!趁着他们的意识集中在一点时,我们发起攻势。”
これを知った信忠は、不敵な笑みを浮かべて攻めに転じた。
得知此事后,信忠露出了无畏的笑容,并开始进攻。
主敵である北条すらも自分たちを注視していない状況は、武士の矜持を傷つけられたと憤慨して然るべき場面であろう。しかし、信忠は信長の血を色濃く継ぐ者だ。
连主敌北条都没有注视着他们的情况,这必然是损伤武士自尊的场面。但是,信忠是继承了信长血脉的人。
この状況が自分たちにとって有利に働くと判断すると、即座に一転攻勢へと転じた。雪解けの後も慎重に事を進めていたことが功を奏し、北条は信忠のスピードについてこられなかった。
一旦判断这种情况对自己有利,就立即转为进攻。在雪融化后,谨慎前进的做法取得了成功,北条无法跟上信忠的速度。
信忠は冬を挟んだ前後のいずれに於いても慎重な姿勢を貫いており、北条側としては「織田は未だ攻め込んでこない」と楽観視させられていた。
信忠在冬季之前和之后都保持谨慎的态度,北条方面则认为“織田还没有进攻”,因此感到乐观。
実際に信忠は信長と異なり、ことを慎重に運ぼうとするきらいがある。入念に準備を整え、勝算がない限りは行動に移さない。故に信忠が攻勢に出るとすれば、何らかの予兆があると北条は思い込んでいた。
实际上,与信长不同,信忠有一种谨慎运作的倾向。他会仔细准备,只有在有胜算的情况下才会采取行动。因此,北条认为如果信忠采取攻势,一定会有某种征兆。
信忠はかつて一度手痛い敗北を喫して以来、軽々にことを起こすことを忌避するようになっている。しかし、それでも好機をみすみす見逃すほど腰が引けてはいない。
信忠曾经遭受过一次惨败后,开始避免轻率行事。但他仍不会因害怕而错过好机会。
つまり、信忠が行動に出たということは、既に十分な準備がなされていたということに他ならない。
换句话说,信忠采取行动意味着做好了充分的准备。
「若様、八王子城の築城が始まりました」
「若大人,八王子城的建造开始了。」
「よし。あそこは北条の急所。いずれは関東一円を睨む要(かなめ)として機能しよう。堅牢な城を築くよう命じよ」
"好。那里是北条的要害。将来将作为瞄准整个关东地区的要冲。下令建造坚固的城堡。"
「はっ、承知しました」
“好的,我知道了。”
信忠は北条側の支城である八王子城を瞬く間に攻め落とすと、すぐさま改築を始めるよう命じた。八王子城と言えば、北条が抱える支城の中でも最重要と言える城だが、この時点では未だ本格的な築城の最中であった。
信忠立即攻占了北条方的支城八王子城,并下令立即开始改建。八王子城可以说是北条抱有的支城中最重要的城池之一,但当时仍处于建造的初期阶段。
それゆえ、史実のような堅牢な城ではなく、簡素な山城でしかなかったのだ。このため詰めていた兵数も少なく、八王子城は半日ともたずに落城する。
因此,八王子城不像历史上那样坚固的城堡,只是一个简单的山城。由于驻守的士兵数量较少,因此八王子城在半天内就被攻破。
「北条も八王子城の重要性は認識していたであろうが、刻が足りなかったか」
“北条也许意识到八王子城的重要性,但时间不够了吗?”
落城した八王子城からは、建築に必要な多くの資料が残されていた。運び込まれた資材も残っており、北条が関東の西に位置する八王子城を重視していたことが窺えた。
从失落的八王子城中留下了众多建筑所需的资料。还保存了运输过来的材料,可以看出北条非常看重位于日本关东地区西部的八王子城。
しかし、八王子城を堅牢な城へと改築するには余りにも時間が足りなかった。史実に於いても十年程も掛けた工程を、僅か一年で賄うなど出来るはずもない。
然而,要将八王子城改建成坚固的城池时间实在是不够的。即使在历史上,也需要花费大约十年的时间,而在仅仅一年的时间内完成是不可能的。
「資料は何であれ静子に送っておけ。要不要は奴が決めるであろう」
无论什么资料都发给静子。需不需要她会决定的。
「承知しました」
"我知道了"
(書き物であれば、それが木片であろうとも全て持ち帰れとは……長い付き合いながら、あいつの価値観は判らぬ。研究するわけでもなし、占有するでもなし、資料としてまとめれば公開するのだから何をしたいのやら……)
(如果是写作的话,无论它是木片也要全部带回去……虽然我们有着长久的交往,但是他的价值观我却无法理解。既不是要进行研究,也不是要占有,只是要将其作为资料整理出来公开,到底是想要做些什么呢……)
大工たちの走り書きや、人足たちの飯の配給に至るまで全てを欲する静子の真意が理解できない。誰が見ても無価値な落書きすら欲しがるのだから始末に負えない。
无法理解静子想要所有大工写的草稿和佣人们食物分配的真正意图。因为她渴望一切,甚至连任何人都认为没有价值的涂鸦都想要,这让人无能为力。
それらの全てを分類し、系統立てて整理しては記録しているようだが、その記録は多岐にわたる膨大な資料となっていた。
据悉,它们被分类,系统地整理并记录下来,这些记录是一个涉及多个领域的巨大资料。
静子が管理する図書館の一角を占有する資料は、百科事典程の厚みを備えた本が十数冊にも及んでおり、常に装丁の限界に挑戦していると言われる程だ。
静子管理的图书馆中占据了一个角落的资料,包括十多本厚度成百科事典的书籍,据说总是在挑战装帧的极限。
(一度それらのうち一冊を見たことがあるが、アレは本というより鈍器と呼ぶのが相応しいものだった。彩色した写真まで貼り付けていたが、アレは本当に何に使うのだろう?)
“曾经看过其中一本,但那更像是一种钝器而不是书。书里甚至还附着有彩色照片,我真想问那有什么用?”
芸事保護を朝廷より委託されている関係からか、静子は戦国時代に存在する文物を片っ端から資料化していた。
由于委托了艺术保护事务,静子开始对战国时代的文物逐一进行资料化。
それらは芸術だけに留まらず、風習や風俗に至るまでを収集し、口伝でしか残されていないものは書き起こしてまで記録する執念には驚かされる。
它们不仅仅是艺术品,还包括收集风俗习惯和习俗,强烈的记录热情甚至让人惊叹于他们为口传遗产进行的不懈努力。
静子を指して記録魔と呼ぶ人がいるようだが、それも無理のないことだと思わずにはいられない。
似乎有人称呼静子为记录魔,但我不禁觉得这也是无可厚非的事情。
「あいつ、この手の事に関しては父上も辟易するほど執念深いからな。嫌というまで送り付けてやれ」
“那个家伙在这方面非常执着,甚至让他的父亲感到烦扰。直到他讨厌为止,把它送过去。”
「はっ」
"はっ" can be translated to simplified Chinese as "呃" or "哈".
信忠は静子から何度も繰り返し念を押された意趣返しか、文字が書いてあれば何であれ箱に詰めて静子の許へと発送した。
信忠从静子那里反复叮嘱了很多次后,无论是什么样的东西,只要有文字,就装进盒子里发到了静子那里。
明らかにゴミと思える物も多く、家臣たちが気を揉む一面もあったが、信忠は構わず送るように命じるのだった。
明显有许多被认为是垃圾的物品,家臣们也有些担心,但信忠仍然命令派送。
家臣は二人が仲違(なかたが)いをしないだろうかと気が気ではなかったのだが、その考えは杞憂に終わる。
家臣们非常担心两个人会不会闹矛盾,但这种担心是杞人忧天。
大量のゴミを受け取ったであろう静子から、お礼の品や大量の軍需物資が送られてきたことを以て、あれらは静子には価値があるのだと理解するしかなかった。
只能理解静子从收到大量垃圾并收到感谢礼物以及大量军需物资,这些都是有价值的。
尾張の静子邸には信忠が東国征伐に向かって以降、実に様々な資料が届けられるようになった。補給物資を積んだ船便が、帰りに商材などと一緒に運んでくれているのだが、これが膨大な量になっている。
自从信忠前往东国征伐以来,尾张的静子府便陆续收到了各种各样的资料。装载补给物资的船只在返程时也会顺便带回商材等物品,这些物资量相当庞大。
北条側の支城を落とした際に得られた資料も多いため、軍事や政治、地理的な資料が多いのだが、予想外に領民たちの暮らしぶりが窺える記録や商取引の証文など実に多岐にわたっていた。
在攻下北条支城时,收集到了许多军事、政治、地理等方面的资料,同时也不出所料地获得了许多关于领民生活以及商业交易的记录和证明,多种多样。
静子邸では司書と静子自らがカテゴリーごとに分類し、どのような資料として編纂するのか方向性を決めている。そうして出来上がった資料が収まった棚をご満悦といった表情で眺める静子に報せが届く。
在静子的家里,图书管理员和静子本人按类别分类,并决定将资料编纂成哪种形式。当整理好的资料放置在书架上时,静子会高兴地望着书架,仿佛心满意足。
「ようやく動いたんだ」
终于动起来了。
静子に届けられた急報とは、真壁氏が居城である佐貫城を出立し、才蔵が構えた支城へ向かったというものだった。
传达给静子的紧急报告是真壁先生离开他的本城佐贺城,前往才藏筑起的支城。
佐竹と真壁との間でどのような経緯(いきさつ)が有ったのかは判らないが、静子はこの動きが膠着状態を崩す蟻の一穴になると確信していた。
我不知道佐竹和真壁之间发生了什么事情,但静子确信这个行动会成为打破僵局的转机。
静子にとって才蔵に代わる人材はいないが、真壁氏にとっては当主たる氏幹が討ち取られても家督は弟である義幹(よしもと)が継ぐ。分の悪い賭けだが、静子としては才蔵を信じる他なかった。
对于静子来说,没有比才藏更合适的人选了。然而,对于真壁先生来说,即使家督的当主氏幹被击败,家业也会由弟弟义幹(よしもと)继承。这是一个不幸的赌博,但静子只能相信才蔵了。
「皆の者良く聞け! 音に聞こえし鬼真壁が、僅かな手勢のみを率いてこちらへ向かっているようだ」
“大家听好!听说能听见声音的鬼真壁带着少量部下正在向这里靠近。”
真壁出陣の一報は才蔵の許へも届けられていた。手勢の数が少ないと聞いて眉根を寄せる者もいたが、才蔵は言葉を続ける。
真壁出阵的消息已经传到了才藏那里。有人听到手下的人数很少,皱起眉头,但才藏继续说话。
「元より一騎討と、その立ち合い及び後始末だけの人員を率いておるのだろう。むしろ潔いというもの」
“大概率他们是率领着只有一名士兵的队伍去进行单挑,并负责应对单挑和之后的善后工作。这反倒更显得干净利落。”
「こちらが騙し討ちにするとは考えないのでしょうか?」
“难道你们没有考虑过对我进行阴谋吗?”
才蔵の配下が放った一言に、周囲がどよめいた。
才藏的手下说了一句话,周围的人哗然了起来。
「一騎討が受け入れられた以上、小細工は不要と断じたのであろう。実に小気味良いではないか」
“既然接受了一骑打败的决斗方式,那么就不需要任何小伎俩了吧。真是令人愉悦。”
「仮に鬼真壁一人が討ち取られたからと言って、大勢に影響はない。しかし、万が一にも可児(かに)様が討ち取られれば、奴らにとって大金星となる」
“假设鬼真壁一人被击败并不会对大局产生影响。但如果可児大人被击败,那对他们来说将是一个巨大的胜利。”
「漢が命を張るだけの値打ちはあるということですね」
“汉人不惜付出生命,这就是价值所在。”
家臣の言葉に才蔵は頷く。拳で強く胸を叩きながら、才蔵は言葉を紡いだ。
家臣的话让才藏点头。他用拳头猛击胸膛,同时说出了这些话。
「この才蔵、一騎討を挑まれたとあっては逃げ隠れせぬ。全身全霊を以て応えるのみ」
“如果被挑战,这个才华横溢的人不会逃避,只会用全身心回应。”
才蔵の頼もしい態度に、配下の将兵は才蔵の自信の程を肌で感じていた。そんな彼らの様子を見て、才蔵はニヤリと笑みを浮かべる。
看到才藏可靠的态度,手下的将士们能够亲身感受到他的自信。看到他们的样子,才藏露出了一个意味深长的微笑。
「しかし、このまま手を拱(こまね)いて敵の到着を待つのもつまらぬ。賭け皿に足らぬ重さ分の意趣返しをさせて貰おうか」
“然而,仅仅坐以待毙也太无聊了。不如让我以资不抵重的赌注来报复一下。”
悪ガキのような笑みを浮かべる才蔵の言葉を、配下の将兵たちはワクワクしながら待った。
手下的将兵们兴奋地等待着才藏露出像恶童一样的笑容,说出的话语。
真壁出陣の一報から丸二日が経ち、万全の体勢を整えた一行が才蔵の待つ支城を目前に控えていた。
真壁出阵的消息已经过去了两天,一行人已经准备就绪,即将抵达才藏所在的支城。
少数精鋭の優位性を活かし、全てが騎馬で統一された真壁一行は最後の小休止を取ると、支城に向かって進み始める。
少数精英的优势得以发挥,统一以骑马为基础的真壁一行休息片刻后,开始向支城进发。
「織田は本当に一騎打ちに応じるのでしょうか?」
"織田真的会应对一对一的挑战吗?"
氏幹の背後に控える側近の一人が思わず不安を口にした。そもそも戦況的に見て、真壁の首と才蔵の首とでは全く釣り合いが取れない。
他身后的随从不禁口出疑虑。从战局来看,真壁和才藏的首级根本不相等。
才蔵側は里見・佐竹連合軍が疲弊するのをただ待っていれば状況が有利になるのだから、一騎討などという危険を冒してまで早期決着を図る必要性が無いのだ。
因为只要仅等待里见·佐竹联合军疲弊,情况就会变得有利,所以没必要为了早日结束而冒险进行骑马打仗。
「仮に騙し討ちにあったとて文句は言えぬ。そもそも織田側にとって益の無い一騎討なのだ。それでも可児殿は武人として応じて下さるだろう」
“即使受到暗算,也不能抱怨。本来对織田一方没有益处的单挑。但可克达拉殿下应该会作为武士来应战吧。”
そもそもが過ぎた高望みを賭けての一騎討。騙し討ちされても仕方ないと口にしつつも、そのようなことが起こるはずが無いと言い切る氏幹。
背负过重期望的一决胜负已经过去。虽然说即使受到欺骗的话也无可奈何,但是莫名其妙地断言这种事绝不会发生的态度,是由氏幹所表现出的。
実際に命を賭ける主人にそう言われてしまえば、家臣としては付き従う他ない。そうして支城の門前に着くと彼らは思わず声を上げた。
实际上,如果是被那些拿生命作赌注的主人这样说的话,作为家臣只能顺从他们。然后当他们到达支城门口时,他们不禁大声喊叫起来。
「な、なんだこれは!!」
"这...这是什么!!"
氏幹が呆気に取られて声を上げるが、家臣たちは余りの光景に声を発することすら出来なかった。果たして彼らの目に飛び込んだのは、支城の門扉が大きく開け放たれた空間に存在する異様な光景である。
他们的主管惊呆了,大喊起来,但家臣们被眼前的景象震惊得说不出话来。确实,他们眼前所见的是一个异常的场景,存在于开着大门的城堡中。
それは角力(すもう)の土俵を数倍にも広げたような真円を中心に、東西に縄を張り巡らせただけの観客席を設けた急ごしらえの施設であった。
这是一个紧急建造的设施,以一个扩大几倍的真正圆形为中心,围绕着东西两侧张起了绳索来设置观众席,仿佛扩大了相扑比赛的竞技场。
その真円の中心付近に設えられた床几に腰を下ろした武人が立ち上がり、大音声を張り上げる。
那位武士坐在位于圆心附近的桌子上,站起来高声喊叫。
「ようこそ参られた真壁殿。其方(そなた)の武威を我が前に示されよ!」
"欢迎您来到真壁府,向我们展示您的武勇吧!"
关键词:
相关新闻
- 【全球热闻】【GPT机翻】战国小町苦劳谭 (戦国小町苦労譚)- 174 [千五百七十八年 四月下旬]
- 【全球新视野】中国女排战胜荷兰队 世界女排联赛获三连胜
- 京剧脸谱介绍_京剧脸谱的来源介绍
- 龙湾区民政局以法为礼迎“六一” 护航未成年人健康成长
- 要闻速递:城市桥梁设计_城市桥梁
- 今日聚焦!区教育局最新通知
- 环球即时看!什么是社会面清零 社会面清零后怎么做
- 米色裤子搭配什么短袖_米色裤子搭配_世界关注
- 世界今日报丨欧足联官方:对穆里尼奥欧联杯决赛辱骂裁判提出指控
- 国内超六成737MAX恢复运营,重启交付限制已解除
- 民法通则里手写协议书是否有效
- 全球快看:画册设计:字体选择和排版
- 天津东疆前四月二手车出口货值超5300万美元 同比增长近6倍_全球短讯
- 队记揭秘湖人续约计划 牺牲多人利益强留里夫斯? 快看
- 直击股东大会 | 巨化股份董秘刘云华:规划的PVDF产能大部分用于锂电 当前行业产能严重过剩
- 安吉尔Y1199LK-XQZJ
- 全部涨疯,它是2023最火的生意!!-今日讯
- 煮荷包蛋不烂的方法-怎样煮荷包蛋不会散-当前头条
- 高中招生规模呈现扩招趋势 321所普通高中具有招生资格
- 前世冤家电视剧免费观看 前世冤家
- 【全球快播报】开启6000年前考古“盲盒” 最早的“无锡人”重现天日
- 热讯:石鳖可以养吗(石鳖可以吃吗)
- 焦点速看:6月2日基金净值:广发制造业精选混合A最新净值4.698,涨0.84%
- 【时快讯】直落三盘过关!西西帕斯横扫前赛会四强,连续5年跻身法网16强